訪問着の着付けは自分でもできるのか?訪問着の着付けに必要なもの【着付け師監修】

自分の着物を自分で着ることが出来たら、おしゃれなレストランでの食事や、ちょっとフォーマルな場に着て行きたいという方も多いでしょう。

そこで今回は、着付けを習わなくても訪問着を自分で着ることが出来るのか、訪問着を着る時には何が必要かについて丁寧にご説明します。

着付けを習っている人しか知らない、着物を着る時の便利アイテムも合わせてご紹介していくので、参考にしてみて下さい。

訪問着の着付けは自分でも出来るのか?

訪問着の着付けは自分でも出来るのか?

訪問着を着るためには、外出着の着方の着付けをした着物の上に袋帯を二重太鼓結びにします。 この着付けは、着物の着方の中でも基本であり、やり方とコツさえ掴めば自分で訪問着を着ることは出来ます。 しかし、着付けは全くの初心者だという方には難しいので、まずは小紋に名古屋帯が締められるよう練習することをおすすめします。

最近は、動画でも訪問着の着方、二重太鼓の締め方などが紹介されているので、それを参考にしながら練習してみるのも良いでしょう。

訪問着の着付けに必要なもの

足袋

洋装でいうところのソックスやストッキングの役割を果たすものです。 訪問着のような準礼装の着物を着る時は必ず白色の木綿足袋を選ぶようにします。 柄物や色物はカジュアルな装い向きのものなので、訪問着には相応しくありません。

裾除けと肌襦袢

和装の下着ともいえる裾除けと肌襦袢は、汗取りの役割も兼ねた重要なものです。 裾除けはパンツの上から、肌襦袢は上半身の素肌の上から身に付けます。 最近は、裾除けと肌襦袢が一体化したワンピース型肌襦袢も人気があります。

長襦袢と半衿

長襦袢は着物の下に着る和装下着の一種で、着物が汗で汚れないようにしてくれます。 訪問着に合わせる長襦袢は白色、もしくは訪問着の着物の色よりも淡い色合いのものを選び、着物に長襦袢の色が写らないようにします。 長襦袢には必ず半衿を縫い付けますが、フォーマルな席に出席する場合の半衿は白色のものを選ぶようにします。 刺繍が入ったものや色が付いたものはカジュアル向きなので、訪問着には相応しくありません。

衿芯

長襦袢の衿に入れて衿のラインを補強するために用いるのが衿芯です。 衿芯がない場合、着物の衿の形がふにゃふにゃして決まらないので、訪問着に限らず着物を着る時には必ず長襦袢の衿に衿芯を入れるようにします。

着物(訪問着)

春、秋、冬に着るのであれば袷の訪問着を、夏に着るのであれば絽の訪問着を用意します。 新しい着物を下す場合は、必ずしつけ糸を外さなくてはいけないので、忘れないようにしましょう。

訪問着の帯には織りの袋帯を用います。結婚式の披露宴や格式高い席に出席する場合には金糸や銀糸がふんだんに使われた華やかなものを選びます。 それ以外の席では、着る訪問着の色や柄に合わせた織りの袋帯を選びます。

帯板

帯をしっかり巻いていく上で重要なのが帯板です。 帯板にも種類があり、前板、後板、ゴム付帯板がありますが、自分で訪問着を着るのであればゴム付帯板がおすすめです。 ゴム付帯板は、帯を巻く前に着物の上から装着して用います。

帯揚げ

帯揚げは帯の上に締めるもので、綸子や縮緬の帯揚げを訪問着には合わせます。 訪問着に合わせる帯揚げは、黒留袖の時のように必ず白色でなくてはいけないといった決まりはありませんので、着物と帯の色柄に合わせて選ぶようにします。

帯締め

帯締めは帯を留めるのに使われる組紐で、丸組と平打ちの二種類があります。訪問着にはちょっと広めの平打ちがよく用いられます。 フォーマルな席に出席する場合は、帯締めにも金糸が入ったものを選び、華やかさを演出するようにします。

小物

訪問着だけでなく、着物を着る時には必ず紐 4、 5本と伊達締め 2本が必要になります。その他に体型によって補正が必要になってくることもあります。

訪問着の着付けに持っていると便利なもの

着物のクリップ

着物を着る時は何かと手を後ろに回すことが多く、誰かにちょっと押さえていてもらえたら着やすいのにと感じることもあります。 そんな時に役立つのが着物のクリップで、押さえておきたい部分にクリップを用いることでずっと着物が着やすくなります。

ファンデ

着付け師に着物を着付けてもらう時にはタオルで補正が施されます。しかし、自分でこの補正をやろうとするととても大変なので、補正代わりにもなるファンデというものを用います。肌襦袢の上からウエスト辺りに巻いて用います。

ヒップパッド

着物の補正では、腰の一番くぼんでいるところにもタオルを宛がい補正を行います。 これも着付け師にやってもらう補正になるので、自分ではなかなか上手に出来ませんが、同じ効果をもたらしてくるのがヒップパッドというものになります。 肌襦袢の上から腰骨を覆うように付けて、腰回りの補正をします。

補正用のタオル

着付け師に着付けてもらう時には、鎖骨辺り、ウエスト、腰(ヒップ)にタオルが用いられ補正が施されます。 着物を着るのに慣れてくるとこのタオルを用いた補正も自分で出来るようになるので、覚えておくと良いでしょう。 中には補正用のタオルを予め肌襦袢に縫い付けて、オリジナルの補正付き肌襦袢を作る方もいます。 何度か着物を着ていくうちに自分にはどの補正が必要なのかということも分かってくるので、適宜タオルを用いて美しい着物体型を作れるようにすると良いでしょう。

和装用のブラジャー

洋装ではブラジャーを付けるのが当たり前ですが、着物ではブラジャーを付けないことが一般的です。 しかし、ブラジャーがないと不安を感じるという方は和装用のブラジャーを用いましょう。 着崩れが起きないような配慮の下で作られた下着なので、安心して着物の下に付けることが出来ます。

コーリンベルト

コーリンベルトは、着物の衿元が着崩れないよう押さえておくものです。 コーリンベルトの先を衿先辺りに付け、おはしょりを押さえつけながらコーリンベルトを使うことでおはしょりの落下防止にもなり、非常に便利な小物としてよく用いられます。

ユナベルト(マジックベルト)

着物の丈を決める時、腰骨の位置で腰紐を結びますが、この腰紐が緩いと着物の着崩れが起きてしまいます。 腰紐は独特の結び方をするため、自分で着物を着る時に紐で結ぶのは難しいとされています。 そこで用いられるのがゴムで出来た腰紐(ユナベルト、マジックベルト)です。締め具合も容易に調整できるので、 1本持っていると大変役に立ちます。

伊達締め

伊達締めは博多織で作られたものが多いですが、最近はシャーリングの付いたストレッチ伊達締めもよく用いられます。 長襦袢の胸紐の上、着物の胸紐の上に用いるため、 2本用意する必要があります。

着物を留めるために必要になってくるもので、長襦袢の胸紐、着物の胸紐、腰紐、帯の仮紐の 4本は最低でも用意しておかなくてはいけません。それ以外にタオルの補正を行うのであれば、タオルを押さえておくために紐が 1本余計に必要になってきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。訪問着に二重太鼓という着付けは、自分でも出来ますが、着物を全く自分で着たことが無いという方には少々難しいところもあるでしょう。

完璧に訪問着が着られるようになりたいという方は、着付けのお教室に短期で通うことをおすすめします。

訪問着を着る上で必要となってくる着物や和装下着、小物をまとめているので、自分で訪問着を着るという時も、誰かに訪問着を着せてもらうという時も準備リストとして活用して下さい。

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