お宮参りとはなにか?お宮参りの起源と当日の流れまで紹介します

お宮参りといえば、赤ちゃんの長寿や健康を願って神社に参拝し、御祈祷してもらう行事であることまではご存じの方も多いでしょう。

しかし、お宮参り(初宮参り)の歴史や起源について正しく答えることができる方はどれほどいるのでしょうか。

お宮参り(初宮参り)は日本古来の通過儀礼であり、その起源と歴史的背景を知ることによって、さらにお宮参りの重要性を知ることができます。

この記事では、お宮参りの起源と歴史、お宮参りに適した時期、当日のプロセスについてご紹介します。

お宮参りとは

お宮参りとは

お宮参り(初宮参り)とは、生後 1か月前後に行われることが多い、氏神社への初参拝の儀礼であり、子どもの無事な誕生を神様に報告し、感謝するとともに将来への加護を願う行事です。

また氏子入り(うじこいり)と呼ばれる、社会的な認知という役割を担ってきた通過儀礼でもあります。古くはヒアケ(日明け)、ウブアケ(産明け)など地域によって様々な呼び名がありましたが、現在は「お宮参り」と呼ばれることが多くなっています。

現代のお宮参りは、産土神(うぶすながみ)と呼ばれる新生児が誕生した土地を守る神様に限らず、近所の神社や有名神社に参拝し、御祈祷を受けるという流れになっていますが、家庭や地域によってはその後写真撮影やその他の工程を追加していることもあります。

お宮参りの起源、歴史

文化的な生活が営まれるほどの昔から、日本人は新たな生命の誕生を祝う行事を行ってきたと言われています。

最初はご馳走を食べ、踊り、神に新たな命の誕生を報告するにとどまっていたものが、お宮参りとして鎌倉時代に発生し、室町時代には現在のような御祈祷を受ける形に定まったといわれています。

当時、日本では妊娠 5か月目の戌の日の帯祝い以降は、出産全体をつかさどる産神の支配下になると考えられていました。

赤ちゃんの誕生は「産土神」という超自然的な世界に関係すると思われていたのです。母子の安全を見守ってくれた産土神に挨拶をして、その後守護神として守ってくれる土地の氏神様の氏子となるのです(これが前述した氏子入りと呼ばれます)。

この日は親類や知人を自宅に招き、魂の宿る赤飯をふるまい、多くの人々の力を借りて赤ちゃんの成長を願うのが古くからの習わしです。

現在では参拝、御祈祷を中心にお宮参りは行われており、自宅に親戚を呼んで赤飯をふるまう、という慣習は少し薄れてきています。お宮参り後に親族と食事に行くことはありますが、あくまでも慣習としてではなく、親族への感謝の気持ちから行われています。

お宮参りの時期

お宮参りの時期については諸説あります。生後 1か月を目安にするという点では大きく異ならないものの、男児の場合は生後 31日、女児の場合は生後 32日という地域がある一方で、男児の場合は生後 32日、女児は生後 33日としている地域もあります。同じ県内でも東西南北にさらに枝分かれした文化が残っているため、自分の住む地域の習慣について祖父母に尋ねておくとよいでしょう。

また、新潟県や東北 6件、北海道の一部などの雪深い地域では、生後 1か月が冬季にあたる場合、参拝に行くことが物理的に困難であることから、生後 100日にお宮参りを行うこともあります。このようなことから、生後 1~ 3か月の間に行うことができればよいというように、お宮参りの時期や日程については柔軟に考えた方がよいでしょう。

お宮参りの服装

日本の伝統的な通過儀礼であるお宮参りは、神社という神聖な場所で行われることから、昔から正装をして行く方が大半でした。

赤ちゃんにとって当時の正装とは内着に産着(初着・祝い着・掛け着ともいう)を掛けるといったものです。両親も、父親は着物に羽織、母親は黒留袖等といった服装で参拝していました。

現代では、赤ちゃんの服装は比較的自由であり、上記のような伝統を重んじる和装を着用するご家庭もあります。それに合わせるような形で、母親は黒留袖までとはいかなくとも、色留袖や訪問着等を着用することが増えています。

母親が和装をする場合、父親も和装してもよいのですが、現代では黒のフォーマルなスーツやビジネス用のスーツを着用する方が多いようです。赤ちゃんが洋装の場合は、父親は上記のような洋装、母親は露出の少ないワンピースやスーツで参拝することが多くなっています。

お宮参りの流れ

お詣り

お宮参りでは、まず神社の氏神様に参拝します。ここでは一般的なお詣りの工程に習って、二礼二拍手一礼します。

具体的には、神社にある鈴を鳴らし、お賽銭箱に向かってお賽銭を入れます。お賽銭として入れる金額は任意ですから、特に決まりはありません。その後深く 2回礼をし、両手を合わせた後少し左右に位置をずらして、大きく 2回拍手します。最後に一番深い礼をして、お詣りは終了です。

御祈祷

御祈祷は、ほとんどの神社において、予約を入れておくのが一般的です。

何時から、何の目的で御祈祷をお願いするのか、あらかじめ神職に伝えておきます。

この時、お宮参りの場合は赤ちゃんの氏名、生年月日と性別を尋ねられることがあります。御祈祷では、神職が祝詞をあげて、赤ちゃんの長寿・健康を神様にお願いしてくれます。静かに祝詞をきき、授与品をいただきます。

写真撮影

写真撮影をお宮参り当日に行う場合は、御祈祷後に神社前や、スタジオに移動して撮影します。

写真撮影までをお宮参りに含めてしまうと、生後 1か月頃の赤ちゃんと母親にとって身体的負担が大きいことから、あえて別日に改めて撮影するという場合もあります。

食事

御祈祷後に食事会に移ったり、写真撮影を経てさらに食事会に移ったりすることもあります。

食事会は料亭やレストランで外食する方が増えていますが、自宅でお膳をとって家族のみでお祝いするケースもあれば、昔ながらの方法で親戚や知人を自宅に招待して皆でお祝いするケースもあります。

お宮参りをする意味を理解して参拝しよう!

お宮参りは日本に古くから伝わる通過儀礼です。神様に子どもの将来への加護を祈願する機会、三世代が一堂に会する新しい家族編成を確認する場、そして母親が出産後日常の生活に戻る区切りの一つという意義もお宮参りにはあります。

最近は御祈祷を省略したり、写真のみで済ませるご家庭もありますが、本来のお宮参りの意味を理解した上で、近くの神社でも構わないので、参拝・御祈祷することをおすすめします。

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