和柄の種類~縁起の良い柄・夏の和柄~

今回は『和柄』についてご紹介していきたいと思います。この柄見たことはあるけど、なんていう柄だろう?と思ったことはありませんか? ひと言で『和柄』といっても種類がたくさんあるので、私自身、何柄っていうんだろう?と悩むときがあります.

たとえば「格子(こうし)」ですが・・・ 格子縞(こうしじま)、碁盤格子(ごばんごうし)、弁慶縞(べんけいじま)、 童子格子(どうじごうし)、微塵格子(みじんごうし)、二筋格子(ふたすじごうし)、三筋格子(みすじごうし)、 四筋格子(よすじごうし)、味噌漉格子(みそこしごうし)、千鳥格子(ちどりごうし)等… といったように膨大な柄の名前もあります!!

すべては紹介しきれないので、なかでも「縁起がいい和柄」や「夏らしい和柄」についてご紹介していきたいと思います!

【亀甲(きっこう)】

六角形の亀甲文様は、その名のとおり「亀の甲羅」の形に由来しています。 縁起のいいとされる植物や動物、図柄を描いた吉祥文様(きっしょうもんよう)の一つであり、長寿吉兆の象徴である「鶴亀」に結びつくため、古くから非常に愛され・多用されています。 日本においては、平安時代に有職文様として定着し、今でも日常生活の中で帯締や帯地などでよく目にするかと思います。 亀甲の形が綺麗であるということから紋章にも多く使われているようで、正倉院宝物裂の中に描かれていたり、出雲大社の紋などに使われているようですね! 亀甲文様にも派生文様があり「亀甲つなぎ」や六角形の中に花弁をあしらった「亀甲花菱(きっこうはなびし)」、亀甲を三つ組み合わせた「毘沙門亀甲(びしゃもんきっこう)」などがあります。

【青海波(せいがいは)】

「青海波」は同心円の一部が扇状に重なり合った文様ですが、「大海原」を表しており、穏やかに広がる海のように平穏な生活が続いてほしいという願いが込められています。 「亀甲文様」と同じく「青海波」も『幸福』を呼び起こす吉祥文様として、能装束、着物・帯などに使われる人気の柄ですね。また江戸時代には青海水とも呼ばれていたようで、日本での名称「青海波」は舞楽「青海波」の装束に使われた文様が起源となっているのだそうです。 名前からしてもとても涼し気な印象があり、夏にもぴったりですよね(^^♪

【麻の葉(あさのは)】

「麻の葉」とは、小紋柄の一つで、正六角形内で6個の菱形の頂点が一点で接するように構成された幾何学文様で、形が麻の葉に似ていることからこう呼ばれています! 古来から「麻」は神聖なものとして神事に用いられてきたり、成長が早く丈夫であるということから、すくすくと育つ縁起がよいものとされ、 死亡率の高かった昔は、赤ちゃんのうぶぎ(産着)やお宮参りの襦袢に使う風習もあったのだそうです。 少しでも元気に育ってほしいという願いや、魔除けの意味が込められていたそうですね(゚д゚)!ちなみにですが、男児は青、女児は赤を使用したらしいです。 三角形にも魔除け、厄除けの意味があり、その集合体の麻の葉は、より強い意味と美しさがあります。

【鱗(うろこ)】

形・大きさが同じ文様を規則正しく並べ、その文様の部分と地になる部分の色を変えて交互に入れ替わる文様を「入れ替わり文様」といいますが、その文様の中で代表的なものが「鱗文様」です! 正三角形または二等辺三角形を上下左右に連続して配置した形のため、地と文様の色の差により三角形が目に付くように浮かび上がってきますが、これが鱗に似ているので鱗文と呼ばれる由来です。 日本では弥生時代中期頃から銅鏡や土器などに用いられ、「鋸歯文」と呼ばれていたのだそうです。 三角形の連続文様は古くから「病魔」を表すとされると同時に、悪霊を退ける呪性を持つとされ、近世になって鱗文と読んで厄除けの文様として使うようになったようです。 昔は厄除けとして、女性の心に住む鬼を戒めるために鱗文様の地紋の生地を用いたり美しい配色の鱗文の小紋染めや長襦袢や帯あげがありました。 能楽の竜神や鬼女の装束には鱗文が使われ、白地に鱗形の銀の硯箔小袖を着た扮装を見れば龍の化身・魔性のもの・鬼女を表すものとなっています。

★まとめ★

和柄も数多くあるなかで、今回は縁起がいい和柄や夏らしい和柄についてほんの少しですがご紹介させていただきました! ひとつひとつ意味があるものであったり、「和柄」というものはとても奥が深いですよね。 今回ご紹介していない「金魚」や「朝顔」、「紫陽花(あじさい)」など夏らしい和柄も、まだまだたくさんあります! これから夏本番!花火大会やお祭り行事もたくさんあると思いますが、浴衣を着てお出かけなさる際は、この柄なんていう柄だろう? なんてお話してみてはいかかでしょうか?

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