袴の着付けは難しい?卒業式の袴の着付け方をご紹介!

 大学卒業を控えた方の多くは、卒業式に袴を着て出席しようと考えているのではないでしょうか。成人式に出席して袴を着用したことのある方もいれば、人生で初めて袴を着用する方もいらっしゃると思います。どちらのケースでも、袴の着付けを美容室やサロンでしてもらおうと考えていませんか。「だって袴の着付けって難しいでしょ?」こんな風に考える方もいらっしゃると思いますし、実際着付けは簡単ではありませんが、素人でもしっかりとキレイに着付けることは可能です。こちらで卒業式の袴の着付け方に関してご紹介いたします。

袴の着付けは難しい?着付けのポイント

袴の着付けは難しいイメージがありますが、実際に経験してみるとスムーズにできたという方もいらっしゃいます。そこで着付けを実際に始める前に、覚えておきたいポイントをご紹介。こちらのポイントを備えていれば比較的スムーズに着付けを進められますので、まず前提として覚えてから本番の着付けを迎えましょう。

着付けのポイント①:体型に合わせてタオルを使おう

特に女性に多くなりますが、細身すぎる女性や胸の大きい女性は、和装になると見栄えが悪くなる傾向にあります。首元から下半身まで、スラッとしている状態が袴姿での理想と言えますので、一部分が膨らみ過ぎてしまう方や、逆にウェストが細すぎる方は、タオルを利用して矯正しましょう。ウェスト周りは帯が崩れる原因にもなりますので、細身の方は要注意ですよ。

着付けのポイント②:必要品の準備はしっかりと

袴はレンタルする方が多いと思いますが、専門店でレンタルするからと言って、必要な物がしっかりと揃っているか確認しないのは NGです。稀に付属品が届いていないこともありますので、しっかりと頼んだ物が手元に揃っているか確認してください。また、自身で用意しなくてはいけない物もお店によって異なると思います。肌着や矯正用のフェイスタオル、衿芯を縫い付ける針や糸まで、当日焦らないように準備を怠らないでください。

着付けのポイント③:絶対に一度は練習しよう

そして必要品の準備と同じく、着付けの予行練習も絶対にしてください。ぶっつけ本番でいきなりキレイに着付けられる人はそうそういません。初めて着付けを体験する方でしたら、早くても 30分程度着付けに時間がかかる傾向にあります。スケジュールに余裕がありましたら、一度と言わず二度三度は着付けの練習をしておきましょう。実践に勝る知識はありませんので、まずはこちらのページを参考にしていただきながら実際に着付けてみてください。

女性の着付け方

流れ①:着付ける前に準備

まずは女性の着付け方ですが、着付けを始める前に衿芯の準備をしておきましょう。和服は後ろの衿と首裏部分に余裕がある形が理想的です。そのため、最初に着用する長襦袢に衿芯を通し、縫い付けておきましょう。衿芯は長襦袢の衿に合わせ、左右対称になるようにバランス良く差し込んでください。縫い付けるのは必須ではありませんが、ずれる可能性が皆無ではありませんので自前の物なら塗ってしまったほうが良いでしょう。

流れ②:肌着にタオルを巻いて帯で固定

次に肌着を着用して、お腹周りにタオルを二枚ほど巻き付け紐で固定します。こちらをすることによって帯の崩れを予防できますので、特に細身の方は徹底したほうが良いでしょう。

流れ③:長襦袢を短く着て伊達締めを巻く

肌着の準備が整いましたら、衿芯を通した長襦袢を着用してください。内側からコーリンベルトで下前を留め、背中を通してもう一方のベルトで上前を留めます。襟元が崩れてしまわないようにしっかりと合わせる意識を持って下さい。そして伊達締めを前から巻いてねじり留めて長襦袢の準備は完成です。

流れ④:着物を着よう

伊達締めを巻いた時点で衿を中心に形を整え、問題がなければそのまま着物を羽織りましょう。着物を羽織ったら裾の両端を腰辺りまで持ち上げ、自分から見て左側の裾を下に、右側の裾を上に内側へ折り畳み重ねます。腰紐を結びお腹周りで固定しましたら、長襦袢の時と同様に、コーリンベルトで着物の下前と上前を固定。再度伊達締めを巻きましたら、袴を結ぶ位置を決めて前板を挟みながら帯を締めます。

流れ⑤:帯の結び方

袴を着ると帯は結局隠れてしまいますが、結び目が崩れていると袴も崩れて見えてしまいますので、しっかりと自分でキレイな結び目を意識してください。後ろから帯を回して二回身体に巻き付け、長いほうの先端が上に来るように方結びをします。そして長いほうの帯を 20cm程度に折り畳み、短いほうの先端をかぶせるようにして上から下に帯を通すと、リボンの原型ができあがるでしょう。できあがったリボンの原型を整えましたら、前板がずれないように後ろに回してください。

流れ⑥:袴を着よう

いよいよ袴の着用に移ります。袴は紐が太く、白いヘラが付いているほうが後ろで、紐が細いほうが前になりますので間違えないようにしましょう。一旦床に袴を置き、袴の中央に立ってから帯がほとんど隠れる程度まで持ち上げてください。

流れ⑦:細い紐の結び方

前にある紐を一旦後ろに回し、帯のリボンに重なるように前に一周させましょう。リボンの形が崩れることが心配になりますが、しっかりと帯が締まっていればそこまで気にする必要はありません。左右の紐をリボンの中心部分を交差するように通し一周させたら、右寄りの前面で一度結び、そこから再度後ろに回してリボンの上部で蝶々結びをして細い紐は完成です。

流れ⑧:これで完成!太い紐の結び方

帯の隙間に袴の後ろ部分にあった白いヘラを差し込み、帯が隠れるように袴を着用してください。そして太い紐を脇下から通し前に持って来て、右前もしくは左前のどちらかで蝶々結びをします。

余った紐の長いほうを結び目の下から通し、上から垂らして完成です。最後に全体の形を整えて、キレイに着付けられているか確認してください。

男性の着付け方

流れ①:体型に合わせてタオルで補正

続いて男性の着付け方に関してですが、序盤の流れは特に変わりありません。長襦袢の衿に衿芯を通しておいて、肌着を着用して長襦袢を羽織ります。その際、男性は特に恰幅の良い体型のほうが見栄えしますので、お腹周りにタオルを被せて体型の補正をしっかりと行いましょう。腰帯を巻いて固定してしまえばずれてしまうこともありませんので、細身の方は注意して複数枚タオルを重ねてください。体型の補正ができましたら、上から長襦袢を着て腰帯で固定しましょう。

流れ②:着物を羽織って腰帯で固定

長襦袢を着た後はそのまま着物を羽織ります。着物を羽織る際には内側に来ている長襦袢の襟を気にしながら着用してください。バランス良く、少しだけ長襦袢の衿が見えるのがキレイに着物を着るポイントと言えます。着物の位置を整えましたら腰帯で整えてください。

流れ③:袴の位置を決めて帯を結ぶ

次に袴をどの位置で着るか決めましょう。袴の裾がくるぶし辺りにくるのが理想的な位置と言えますので、ある程度目星を立てておいてください。そして袴の位置より少し上あたりを目安に、帯を巻き始めます。帯は前から後ろに 2~ 3回程度巻き付け、前で一度結びましょう。そして下に伸びている帯の先端を 20cm程度に折り畳み、横向きにして上からもう一方の帯で二回ほど巻き付けます。しっかりと締め付けて結び目の形を整え、余った先端部分は帯の中に入れて下から出してください。ずれないように後ろに回し、帯が完成です。

流れ④:着物の長さを調整する

そのまま袴を着けるには少し着物が長すぎますので、必ずここで着物の長さを調整しましょう。着物の裾部分をたくし上げて、丁度良い長さになるように背中の帯に裾を通してください。大体前から見て、膝が覗けるくらいの長さにまで調節できればベストです。

流れ⑤:袴の前紐を結ぶ

ここからは袴の着用です。袴の前後に気を付けながら、帯の上部が少し見える程度の高さまで袴を持ち上げ、そのまま左右に伸びている紐を後ろで一度交差させます。その際、帯の結び目で交差させるように意識してください。前に持ってきた紐をやや下腹部に当たる位置で交差させ、片方の紐を折り返しまた後ろに回してしっかりと結びましょう。後ろで蝶々結びをしたら前袴の完成です。

流れ⑥:完成間近!後ろ紐を結ぶ

次に後ろ部分ですが、白いヘラがありますのでそのヘラを帯の結び目部分に差し込みます。左右から紐を前に回してきて、前で一度交差させてください。そして下にある前袴の紐に両方の紐を上から二回ずつ通し、片方の紐を 10cm程度の長さに折り畳みます。結び目で横に向けてもう片方の紐で上から巻き付け、リボン型の結び目を作りましょう。巻きつける側の紐が余ると思いますが、結び目に差し込んで十字ができるように少し先端が下に出るようにしてください。再度結び目の形を整えて袴の完成です。

流れ⑦:羽織を着用して完成!

最後に羽織を着用しましょう。羽織は着物の袖が外に出てしまわないように左右のバランスを整えて、羽織の中にしっかりと着物の裾を入れ込んでください。そして羽織専用の「かん」と呼ばれる紐を前面に付けて着付け終了です。

まとめ

昔ながらの男らしい見た目にできるまで、ぜひ練習を繰り返してみてください。着付けができるとカッコイイ!男女別で袴の着付け方をご紹介いたしましたが、練習をしてみないとそう簡単にできるようにはならない方が大半を占めますので、ぜひ手元に袴がある方は練習してみてください。1つ1つ焦らないで順序良く進めていけば、きっと思い通りのクオリティで袴の着付けができるでしょう。袴を着る機会は複数回あっても、通っている学校の卒業式は人生で一度しか経験しませんので、袴を着付けて思い出深い卒業式にしてくださいね。